管理人の気ままな日記気ままな日記TOPへhistoryBACK

←PREVNEXT→【2010年9月】> 20100925/(H22)近畿大学 生物理工学部 公開講座

 近畿大学 生物理工学部 H22年度第12回 公開講座(BOST Science Cafe)を聴講してきました。
 
 日時:平成22年9月25日 13:00〜
 会場:奈良ロイヤルホテル(2F 鳳凰の間)

【プログラム】
 1.地球環境と微生物 〜循環型社会への道しるべ〜 
   13:10〜14:00 生物工学科 阿野 貴司 教授

 2.『見る』ことと『見える』こと 〜視覚の不思議を解き明かす〜 
   14:05〜14:55 システム生命科学科 小濱 剛 講師

 3.その他、コーヒーブレイクをはさんで、15:00頃から質疑応答の時間がありました。
 詳細は、近畿大学生物理工学部 平成22年度 第12回公開講座 のページをご参照下さい。

 この公開講座は、今までに3、4回聴講しています。内容的には非常に分かりやすいので
中学生以上なら理解できると思います。逆に管理人は少し物足りないと感じていますが、
受験生や親御さんへのPR活動でもあるのでしょうがないでしょう。

§概要報告
 1.地球環境と微生物 〜循環型社会への道しるべ〜 
   循環型社会形成のためには、「森」を増やす必要があることを、微生物の働きを例にして
  分かりやすく解説されていました。
   微生物のおかげで、数十億年前には二酸化炭素がほとんどを占めていた地球の大気を、炭酸
  カルシウムとして固定化し、光合成を行う微生物が、ほとんどなかった酸素が20%にまで
  増加させたのです。(現在の大気構成は微生物が作ったといっても過言ではない。)
   森林から出る水蒸気が雨をもたらし、雨が森を育てる。森が維持されるためには豊な土壌
  がないといけません。その土壌は微生物がもたらします。
   文明が栄える時、そこには必ず豊な森林があった。全ての文明は、暮らしが豊になって、
  その森林を伐採し過ぎ、森林の再生が間に合わなくなり、砂漠化(植物の育たない荒地)して
  滅びています。現在の砂漠化もほとんど同じ状況で発生しています。いま食い止めないと現在の
  文明も滅びてしまいます。(この100年で炭酸ガスが2倍に増えている事実がある。)
   何となく参加していた森林保護活動の真の意義が理解できました。森がなければ人類は破滅
  するのです・・・。

 2.『見る』ことと『見える』こと 〜視覚の不思議を解き明かす〜 
   視覚の不思議について、錯視を例にしてやさしく解説されていました。(管理人もカラーコー
  ディネーターの端くれですので、非常に興味深く聴講しました。)
   物を見るということは、眼で見ているのではなく、脳が見ているということを理解しないと、
  錯視や色の見え方は理解できません。管理人が色彩検定の勉強を始めた頃に、なぜ脳のことや
  脳への情報伝達のことを勉強するのかが不思議でした。(色彩検定1級まで勉強すると非常に
  大事だということが分かります。)
   眼で見ていてるはずが見えていなかったり、見ていないものが見えたりすることがあります。
  また、実際のものが違って見えたりします。これらは全て脳の仕業です。眼は人間の進化の過程で
  脳が外に飛び出してきて出来たものらしいです。眼は脳の一部なのです。視覚というものは眼で
  見た情報を脳で処理した結果だということです。この分野は非常に面白い分野で、今日のように
  脳科学が発展した中においても、視覚についてはまだまだ解明されていないことが多くあります。

2010年11月18日追記(近畿大学生物理工学部公開講座係から、質問票の回答が来ました。)
 以下に、管理人が質問票で質問した内容と、メール連絡のあった回答を紹介しておきます。

 3.H22年度第12回公開講座(奈良)質問&回答(小濱先生)

  記憶色が鮮やかに記憶されるメカニズムについて教えてください。
  そのメカニズムを受験勉強に応用できませんか? 

   視覚システムは、眼から入った映像を色、形、運動、奥行きといった成分に分解し、
  それぞれ異なるルートで処理され、最後にそれらを統合する、という情報処理を行います。
  各情報処理過程では、本来の情報が徐々に概念化されて記憶されるに至ります。記憶を
  呼び起こす際は、この逆の情報処理がなされますので、概念化された情報にアクセスする
  ことになります。そのため、実際に視たものよりもより鮮やかに感じるのかもしれません。
  「受験勉強」に応用できるかどうかは疑問ですが、脳の情報処理システムの特徴を考慮すれば、
  単なる丸暗記ではなく、いかに情報を概念化するかがポイントになるのではないでしょうか。

→ その他の「セミナー、講演会」参加記録は、 マイセレクション/「セミナー、講演会、展示会」

Copyright (C) 2009 Mottai-Navi All Rights Reserved.