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 ビジネス戦略ストーリー
「なぜ会社は変われないのか」
 著者:柴田昌治(しばた・まさはる)
 発行者:上田克己  発行所:日本経済新聞社
 定価:1,680(税込)


 会社の制度やシステム、インフラなどのハードに属するものは「変えよう」と思えば、トップダウン
でもかえられるが、会社に対する「思い」だとかチームワークなどの「気持ち」の部分、すなわちソフト
に属するものは簡単には変わらない。
 会社が若い状態なら「お互いに協力するのがあたりまえ」であり、「知恵は出し合うのがあたりまえ」
である。しかし、企業が成熟してくると「言いだしっぺは損をする」とか「知恵を自分の中に囲い込む」
ような状態になり、そう簡単には変わりません。このような「企業風土・体質」を変えるにはどうすれば
よいのか? この本は、著者がコンサルティングしてきた実体験を基にしてドラマ仕立てにしてあります。
管理人の会社にずばり当てはまる内容でもあり、正夢を見ているような錯覚に陥りました。
 製造業を営む会社で、会社の業績を何とか良くしたいと思っているが、クレームがなかなか減らない。
売り上げが思うように伸びない、企業風土・体質を何とか「変えたい」と思っている。このような会社の
経営者層や管理職の方々に特にお薦めします。

【キーセンテンス】
会社が社員を変えるのでなく、社員が会社を変える。
風土・体質の改革というのは「牽制し合う人間関係」を「信頼し合い、相談し合える人間関係」
 に変えること。
オフサイトミーティング=「気楽にまじめな話をする場」を組織的に行う。
上司は部下に課題を与えてやらせるだけが仕事ではない。最も重要な仕事の一つは、部下がもてる
 能力を十分に発揮できるような環境をつくることである。
真剣に人を育てたいと思うなら、若いうちに質の高い失敗をさせておくこと。
自分の責任で判断をする経験ほど人を成長させるものはない。
人数の多い会議は「情報を共有する機能」に特化する。
事にあたって責任を感じていない当事者が、ただ機械的にその案件を処理している組織は最も危ない。
「自らの頭で考え、自らの責任で判断する」というのが責任をもって仕事をする時の大前提である。
話し合いはするけれど合議では決めない。衆知を集めて一人で決める。
必要なのは「統一的な価値判断の基準」を組織全体で共有することである。


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