ナレッジマネジメントでビジネスはどうなる
【図解】わかる!ナレッジマネジメント
著者:高梨智弘(たかなし・ともひろ)
発行所:ダイヤモンド社
定価:1,680(税込)
「ナレッジマネジメント」とは何なのか?やさしい解説と図解で理解しやすい入門書です。
検索システムやソフトウェアなどのITに頼りがちな「ナレッジマネジメント」に対し、組織や
人間に目を向け、企業風土の問題や経営学の観点から解説するなど、自分の会社を良くしようと
考えている経営層にも読んでもらいたい本です。また日米の先進企業の事例などが紹介されていて、
大変参考になります。
初版発行は2000年6月1日と少し古いですが、「ナレッジマネジメント」の概念は変わりません。
これからナレッジマネジメントを勉強する人や、現在の会社のシステムに疑問を抱いている人、
ナレッジに関する企業の体質改善を考えている人などに、肩肘張らずに読める一冊だと思います。
以下に幾つかのキーセンテンスを示しておきます。
【キーセンテンス】
◆マイナス成長、国際化、変化の早い新時代における競争力の源泉は、社員の持つ「知的財産」を
組織全体で共有し、社員の生産性や創造性を向上さることである。
◆「知(知識=ナレッジ)」とは、「組織経営、企業活動に価値のある全ての情報」をいう。
◆日本企業には知識を囲い込む風土がある。知識を提供してくれる社員を高く評価する風土作りが
必要である。
◆必要な人が必要なときに、蓄積されたナレッジにすぐアクセスし、活用できるようインフラ整備
する必要がある。
◆ナレッジマネジメントの投資効果は数値化しにくいが、その投資効果は大きい。そのことは、
推進して成功している企業の収益性や競争力を見れば分かる。
◆企業に必要なナレッジのほとんどは社内に存在していて、その80%は暗黙知であるといわれている。
また社内にないものは他社のベストプラクティス(最も効率的な技法)を研究して学べばよい。
(ヒントが異業種にあることも多い。)
◆暗黙知は、暗黙のうちに持っている、あるいは共有されている知識。形式知は、形となって表れて
いる誰もが認識できる知のことである。(暗黙知→形式知、個人知→組織知に変えることが重要)
ナレッジマネジメントは経営手法であり、「知的資産」を有効活用することにより収益性を向上させ、
最終的な目標である、「顧客満足度」を向上させることである。