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 「経験価値ものづくり」
 ブランド価値とヒットを生む「こと」づくり
 編著者:長沢伸也(ながさわ しんや)
  著者:藤原 亨(ふじわら とおる)
  著者:山本典弘(やまもと のりひろ)
 発行所:(株)日科技連出版社
 定価:2,940(税込)


「ほかと比べてどうか」ではなく、「これでなくては駄目なんだ」という絶対的な価値を
顧客に認めさせるものとは何か。それはEXPERENCE(経験・体験)である、とコロンビア大学の
バーンド.H.シュミット教授は1999年に発表した。「経験価値」と日本語訳されるこの言葉は今、
マーケティングやブランドの世界で重要なキーワードとなっている。
 本書ではシャープ「AQUOS」、ワコール「WACOAL DIA」、コクヨ「カドケシ」、バンダイ
「リトルジャマー」の成功事例を紹介、分析。過去の著書『ヒットを生む経験価値創造』
『老舗ブランド企業の経験価値創造』での研究成果のエッセンスや顧客価値に関する理論も
わかりやすく紹介する。(以上、「カバーの折り返し」より)

 編著者の長沢伸也先生は、早稲田大学ビジネススクールのMOT(Management of Technology)
専修教授です。実は管理人はこの先生の公開講座を一度受けたことがあります。
京都リサーチパーク(KRP)主催の、幅広いネットワークを活かした産学公連携活動の一つに、
「デザイン・マーケティングワークショップ」があり、ここのKRPデザインフォーラム
受講しました。この本は、そのフォーラム(参加費1,000円)で無料配付されたテキストです。
 長沢先生は、非常に分かりやすく明快にしゃべられる方で、居眠りは一切出ませんでした。
恥ずかしながら、ここで始めて「経験価値」という言葉に触れました。「もの」が売れるには
訳があり、「こと」づくりが上手くいった製品がヒットしている理屈を「経験価値モジュール」
や「おもてなし価値三要素」に当てはめ、後付けだが理論付けて証明してくれている。

 管理人の持論では、ヒットする商品の必要条件としては、やはりそのものが良い品物でないと
いけないと思う。性能・機能、デザイン(色・形)、品質などは並以上であったほうがよい。
ただし、ハーレーダビッドソンのように強烈なポリシーと個性があり、性能は並か並以下でも
フィーリングを重んじる場合は例外もあるということです。
 とにかく、ヒットした商品を「経験価値モジュール」や「おもてなし価値三要素」に当てはめ、
分析していくと、成熟社会における有効なマーケティングのヒントが見えてくる。

【キーワード】
 ・「もの」から「こと」のデザインへ
 ・「経験価値創造」
 ・「おもてなし価値創造」
 ・「製造業におけるおもてなし価値の提供」
 ・「デザインによる感動がヒットに結びつく」

P.S.
 長沢先生は、実に毎月2冊以上のペースで書籍を発行しておられるとのことです。
声の大きさやしゃべり方でも分かるが、非常にエネルギッシュな方でした。


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