←PREVNEXT→【2011年3月】> 20110325/
KRPデザインフォーラム2011に参加しました。
京都リサーチパーク(KRP)主催の、幅広いネットワークを活かした産学公連携活動の一つに、
「デザイン・マーケティングワークショップ」があり、ここのフォーラムに参加してきました。
激烈な自然災害を経験した神戸において、新しい都市像を提案され
てきた神戸芸術工科大学学長齊木崇人氏と、マーケティングの側面から
見た「企業のブランド戦略」の重要性を提唱する早稲田大学ビジネス
スクール教授の長沢 伸也氏。このお二人に、激動の時代に新たな価値を
創造する「デザインの力」を語っていただきます。(以上、紹介記事より)
日時 平成23年3月25日(金)14:00〜( 17:30〜交流会)
会場 講演会:京都リサーチパーク サイエンスホール (東地区1号館4階)
交流会:レストラン パティオ(東地区1号館1階)
定員 100名(先着順)
参加費 講演会¥1,000、交流会¥2,000
講師 神戸芸術工科大学学長 齊木 崇人(さいき たかひと)氏
早稲田大学ビジネススクール教授 長沢 伸也(ながさわ しんや)氏
(講演順)
KRPデザインフォーラム/新たな価値を創造するデザインの力
1.「社会的課題の発見とデザインのクリエイティビティ」講演:齊木 崇人氏
阪神・淡路大震災を受けた街並み(住宅地)を復興するにあたり、コミュニティーの形成が
最も重要であると考えられる。また景観の観点からは、南北に切断した断面を見る視点から神戸を
眺めると、その特徴である「山」と「平野」と「海」が三位一体となったすばらしい景観がある。
これらに配慮した新しい田園都市作りのモデル地区を実現し、その有効性を確認することができた。
これを基準として、街並みを復興していくことが重要と考えている。また、神戸にはすばらしい
ウォーターフロントがあり、これを整備して市街地との連携を図ろうとしている。
齊木学長は、学長(教授)の傍ら、神戸市統括監(※1)に登用され、「デザイン都市・神戸」推進
の中心的人物として活躍されています。
※1.神戸市「統括監」について(神戸市のホームページより)
・神戸市「統括監」の就任について
「デザイン都市・神戸」のさらなる推進に向けて、各部局で取り組んでいるデザイン関連施策の
統括者として「統括監」を新設し、デザインに関する豊富な知識と経験を有されている民間人材を
平成22年1月1日より登用いたしました。
・職務内容
「デザイン都市・神戸」のさらなる推進のため、各部局で行っている施策のうち、
「デザイン都市・神戸」に位置づけられている事業について、横断的に統括する。
2.「こと」のデザインによる顧客価値創創造 講演:長沢 伸也氏
「もの」が売れるには訳があり、「こと」づくりが上手くいった製品がヒットしている理屈を
「経験価値モジュール」や「おもてなし価値三要素」に当てはめ、後付けだが理論付けて証明して
くれている。管理人の持論では、ヒットする商品の必要条件としては、やはりそのものが良い品物
でないといけないと思う。性能・機能、デザイン(色・形)、品質などは並以上であったほうがよい。
ただし、ハーレーダビッドソンのように強烈なポリシーと個性があり、性能は並か並以下でも
フィーリングを重んじる場合は例外もあるということです。
とにかく、ヒットした商品を「経験価値モジュール」や「おもてなし価値三要素」に当てはめ、
分析していくと、成熟社会における有効なマーケティングのヒントが見えてくる。
以下の本は、このフォーラム(参加費1,000円)で無料配付されたテキストです。
「経験価値ものづくり」
ブランド価値とヒットを生む「こと」づくり
編著者:長沢伸也(ながさわ しんや)
著者:藤原 亨(ふじわら とおる)
著者:山本典弘(やまもと のりひろ)
発行所:(株)日科技連出版社
定価:2,940(税込)
「ほかと比べてどうか」ではなく、「これでなくては駄目なんだ」という絶対的な価値を
顧客に認めさせるものとは何か。それはEXPERENCE(経験・体験)である、とコロンビア大学の
バーンド.H.シュミット教授は1999年に発表した。「経験価値」と日本語訳されるこの言葉は今、
マーケティングやブランドの世界で重要なキーワードとなっている。
本書ではシャープ「AQUOS」、ワコール「WACOAL DIA」、コクヨ「カドケシ」、バンダイ
「リトルジャマー」の成功事例を紹介、分析。過去の著書『ヒットを生む経験価値創造』
『老舗ブランド企業の経験価値創造』での研究成果のエッセンスや顧客価値に関する理論も
わかりやすく紹介する。(以上、「カバーの折り返し」より)
【キーワード】
・「もの」から「こと」のデザインへ
・「経験価値創造」
・「おもてなし価値創造」
・「製造業におけるおもてなし価値の提供」
・「デザインによる感動がヒットに結びつく」
長沢先生は、実に毎月2冊以上のペースで書籍を発行しておられるとのことです。
声の大きさやしゃべり方でも分かるが、非常にエネルギッシュな方でした。
→ その他の「セミナー、講演会」参加記録は、 マイセレクション/「セミナー、講演会、展示会」へ