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←PREVNEXT→【2011年11月】> 20111126/奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)公開講座2011

 奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)公開講座2011「よくわかる最先端バイオ研究」
の計8講座を受講しました。管理人はこの公開講座をほぼ毎年受講していますが、今年は
バイオサイエンス研究科の担当です。
 この公開講座は、文字通り最近の先端科学技術の動向を知ることができ、ほとんどが
目からウロコ の内容です。
 奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)には、情報科学、バイオサイエンス、物質創成科学
の3つの研究科があり、毎年順番に公開講座を担当しています。
 

【講座日程と概要】
10月29日(土)
 13:15〜14:30「植物の幹細胞」
 バイオサイエンス研究科 教授 田坂 昌生
  ヒトを含むほ乳類の人工的な幹細胞としてiPS細胞が山中教授によって作り出され、これが再生医療の
 切り札として一躍注目を集めています。しかし、我々の身の回りにある植物では幹細胞はあまり話題に
 なっていません。高等植物にも幹細胞は有るのでしょうか?これに関して最新の研究成果を交えながら
 紹介したいと思います。 

 14:45〜16:00「環境・エネルギー問題の切り札〜木質バイオマスをつくりだすしくみを探る〜」
 バイオサイエンス研究科 教授 出村 拓
  環境・エネルギー問題の解決に向けて植物由来の資源(バイオマス)の利活用が見直されています。
 中でも、食糧生産と競合しない樹木由来の木質バイオマスが近年脚光を浴びています。本講座では、
 身近に存在する木質バイオマスを植物がどのようなしくみでつくっているのかを解説するとともに
 私たちがおこなっている木質バイオマスの改良に向けた取りくみについて紹介します。
→再生可能な木質バイオマス(カーボンニュートラル)が効率的に栽培できれば、脱化石エネルギーや
 脱原子力が見えてきます。

11月12日(土)
 13:15〜14:30「細胞がん化の分子メカニズム」
 バイオサイエンス研究科 教授 加藤 順也
  がん細胞は正常細胞から遺伝子の変異によって生じます。この細胞がん化のプロセスでは正常細胞を
 制約する様々な要因が取り除かれます。生体内において正常細胞の機能を制御し、がん化を抑制する
 機構には、増殖制御、死、分化、老化などがあげられます。本講座では、細胞ががん化する仕組みに
 ついて、最近の知見を交えて紹介します。

 14:45〜16:00「神経を伸ばす分子の仕組み」
 バイオサイエンス研究科 准教授 稲垣 直之
  神経細胞は突起を長く伸ばし、他の神経細胞とつながることにより脳内に回路網を作ります。まるで、
 コンピューターがインターネットのケーブルによってネットワークを作るようなものです。私たちの脳の
 活動はこの回路網を介してなされます。本講座では、神経を伸ばす分子の仕組みについての最新の研究を
 ライブ映像を交えてご紹介し、神経再生医療への応用の可能性についてお話します。
→ヒトの神経はどこに向かって伸びようとするのか、情報がどのように伝達されていくのかが見えてきました。

11月19日(土)
 13:15〜14:30「タバコ植物はどのようにしてニコチンをつくるのか?」
 バイオサイエンス研究科 教授 橋本 隆
  喫煙者のみならず受動喫煙による肺がんの誘発などの健康被害が社会問題となり、近代では分煙・禁煙が
 強く推奨されています。タバコの主要生理活性成分はニコチンであることは良く知られていますが、タバコ
 植物が何のために、どのようにしてニコチンを合成し、蓄積するのかは最近になってようやく遺伝子レベルで
 明らかになってきました。本講座では、タバコ植物がニコチンを合成するように進化した過程と、低ニコチン
 タバコ品種がどのように育種されるのかを解説します。

14:45〜16:00「酵母菌から学ぶヒト細胞のしくみ -糖尿病・ガン治療の手がかりを探る-」
 バイオサイエンス研究科 教授 塩ア 一裕
  酵母菌と言えば、すぐにパンやビール・ワインなどが思いうかびますが、実は基礎医学の分野でも優れた
 材料として世界中で多くの科学者たちが研究しています。なぜなのでしょう?何がわかるのでしょう?
 本講座では、糖尿病やガンといった病気の原因解明と治療を目指した最新の研究で、ヒト細胞のモデルとして
 酵母菌がどのように使われているかを紹介します。
→管理人は始めて「酵母」と「カビ」の違いや、なぜ「酵母菌」がヒト細胞の研究に役立つのかを知りました。

11月26日(土)
 13:15〜14:30「遺伝子から攻める病気の機構」
 バイオサイエンス研究科 教授 川市 正史
  遺伝病はもちろんですが、その他の多くの病気も遺伝子の異常で起こります。ヒトはどのように病気に
 なるのかを遺伝子レベルで調べることで、予防法や治療法を開発する手掛かりを得られます。また、
 病気を起こす遺伝子を調べることにより、正常なヒトの体の働きをより詳細に理解できます。本講座では、
 特に高齢者に起こりやすい関節炎、網膜疾患、がん、脳梗塞と関連した一つの遺伝子を中心に、遺伝子と
 病気の関係をお話します。

 14:45〜16:00「ヒト疾患治療のための研究最前線:再生医療からガン・心血管病・生活習慣病治療まで」
 バイオサイエンス研究科 教授 佐藤 匠徳
  近年のヒト疾患研究の目覚しい発展で、ひと昔前には治療不可能であった多くの病気が現在は治療可能に
 なってきました。最近では、工学、化学、コンピューターサイエンスなどの概念、手法をもとり入れた
 新しいヒト疾患研究が行われるようになりました。そこで、現在の最先端の研究でどのような病気が
 どのような方法でまさに治療できるようになりつつあるのか、また、これから将来10〜20年の間に開発
 されると期待される新治療法の解説をします。
→血管新生の活性化や抑制のメカニズムが解明され、コントロールできればすばらしい。

 バイオサイエンス研究科の最先端研究のお話を聞いていると、人間の体はまだまだ分からないことが
多いのに気付かされます。人体そのものが奇跡であり、身近な宇宙であるというのことが、具体的に
イメージできるようになります。(奇跡の体は大事にしないといけません。)

→ その他の「セミナー、講演会」参加記録は、 マイセレクション/「セミナー、講演会、展示会」

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