自国資源の少ない日本では、発電コストが安く、発電時に二酸化炭素ほ出さない原子力発電の
比率を高めようとしています。一方ドイツでは原子力発電所の段階的廃止方針を出しています。
世界的に観て、現状維持か推進派が多いようです。
詳細は、
資源エネルギー庁/エネルギー白書 2011のページ をご参照ください。
わが国の新エネルギー(地熱、風力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギー)による
発電比率は、立地条件や発電コスト、安定供給などの理由で数%止まりといったところです。
備考)東日本大震災以降は、新エネルギーへのシフトを早めようとしています。これは世界的な
流れであり、各国は国家レベルで目標値を掲げています。また定期的に見直しされ前倒し
する傾向にあります。
1.日本での電源別発電コストとCO
2排出量について(目安)
2011年3月に、経済産業省の諮問機関・総合資源エネルギー調査会が新たに電源別のコストを
試算したので、下表を最新データに更新しました。
表1.電源別発電コストとCO2排出量の目安
電源種別 | 発電コスト (円/kWh) | 備考 | | CO2排出量 (g-CO2/kWh) ※1 | 備考 |
原子力 | 5〜6 | | | 20 | ※2 |
LNG火力 | 6〜7 | | | 599 | LNG(複合)は474g |
石油火力 | 14〜17 | | | 738 | |
石炭火力 | 5〜7 | | | 943 | |
水力 | 8〜13 | 大規模水力 | | 11 | 中規模(1万kW)ダム水路式 |
太陽光 | 37〜46 | | | 38 | ※2 |
バイオマス | 12〜41 | | | - | (カーボンニュートラル) |
地熱 | 11〜27 | | | 13 | ※2 |
風力 | 11〜26 | 大規模風力 | | 25 | ※2 |
※1.電源別CO2発生量は、電力中央研究所ニュース(No.468)2010August の資料などより
環境管理のため、電力1kW/h当たりのCO2発生量を計算する場合は電力会社毎に違います。
抜粋)平成21年度の電気事業者ごとの排出係数.jpg(90KB)
※2.太陽光、地熱、風力、原子力は発電している時はCO2を出しませんが、
その設備を建設・運用するために発生するCO2を電力量に割り振ってあります。
2.
Mottai-Navi 的結論
発電のコストの数値を、「目安」としたのは計算条件により大きく変動するからです。
(稼働率や運転年数、管理費の範囲をどのように考えるかによって変動する。)
現にいろんな団体が、それぞれの条件で試算するとかなりばらついています。
発電コストでは原子力発電の成績が非常によいのですが、放射性廃棄物の貯蔵・処分費、
廃炉コスト※3、
災害による原発事故のリスクなどを考慮すると、一概にベストとはいえません。
やはり原子力発電の比率を高めるよりは、エネルギーそのものの消費を減らし、低エネルギー
社会の実現に向けて進むべきと考えます。
※3.廃炉コストについて、2007年の試算で原発1基約680億円、廃炉期間は一般的には30年
追記)やはり、新エネルギー(地熱、風力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギー)による
発電比率を早く高めてほしいと思う、今日この頃です。