§環境保全活動の意義について 更新日 2012/6/30
「環境」の定義が、組織内から周囲の自然や地球のこと、家族や将来の子孫のことまでを含むため、
「環境活動は心意気の表明」ともいえる。
環境保全活動の意義について、
地球や家族への思いやりは当然のことであり、それ以外に、
次の三つのアプローチから説明したいと思います。
(1)非財務的価値からのアプローチ
企業に求められるものは、収益性や成長性などの経済的価値に加えて、いかに社会に対する責任
(CSR)を果たしているか、といった社会的価値が重視されるようになってきている。
⇒環境経営への取組みが重要となる。
企業価値=財務的価値+非財務的価値
備考)環境経営とは、企業と社会が持続可能な発展をしていくために、地球環境と調和した企業経営を
行うという考え方である。
企業は「財務的価値」と「非財務的価値」の両立が必要!
備考)ISO14001とは?
「環境管理の仕組み」に対するISO規格である。この規格は、自然や地球を含む、組織の活動を
取り巻くもの(利害関係者)のために、環境に悪影響を与えないようにすることが目的です。
そのために、「環境マネジメントシステム(EMS)」の構築と継続的な改善を要求している。
具体的な活動は、継続的な環境負荷低減活動と環境法令の順守活動の2本柱といえる。この規格の
認証取得は、企業が環境保全に取組んでいることを第三者の認証機関に認めてもらうことになる。
(2)法律順守からのアプローチ
企業がこれらの法律(条例)に違反したり、大きな環境問題を引き起こすと、
たちまち社会的制裁を浴びることになる。(会社の信用を失う。)
(3)会社の業績(売上げ)向上からのアプローチ
少し高くても、環境配慮型商品(環境にやさしい商品)は、売れる!
スーパーでのある実験を紹介しよう。同じ商品に対し、商品棚のPOPカードに価格だけを
表示して販売した場合と、環境に配慮した商品であることを明示して販売した場合では、
明らかに販売量が違った。結果は歴然!同じ商品でも人々は、環境にやさしい商品を購入した。
⇒人々は、自分は環境に良いものを選んだという「心の満足」で商品を購入している。
また、省エネ家電などで消費者にもメリットがある場合は、高くても売れる。
環境に配慮した製品の開発や販売により社会(地球)に貢献し、しかも売上げが
UPすれば、これほどよいことはない。
備考)最近ではコストが優先され、高品質で低コストを目指すと利益が出なくなってしまう。
「高品質で低コスト」には必ず限界があり最後には利益が犠牲になる。
製品にオンリーワンな付加価値(お客様のメリット)があれば、少し高くても製品は売れる。
それが環境性能の高さであっても良い。その製品の他社にないメリットを明確にすることが重要!
これはデザイン力の問題だと思われる。(例:ハーレーダビッドソンのバイク、Apple製品など)
以上のように、単にISO14001の認証を維持するために、環境保全活動を行っている
のではない。
少なくともこの活動は地球や家族のためになるだけでなく、企業の利益や
企業価値そのものに影響していることを認識すれば、ISO14001が形骸化することも
ないのではと思う。
【参考資料】
・【環境管理テーマ】/
昨今の環境保全活動の根拠ついて(リオ宣言)