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§プロセスアプローチ内部監査の心得

 プロセスアプローチ内部監査とは、ISO規格や社内標準文書類への適合性だけでなく、業務プロセスの
結果は目標を達成しているか、あるいは業務プロセスが目標どおりの結果を出すための仕組みがあるかを
確認する(有効性を確認する)内部監査のことをいう。

 実は管理人も内部監査員であり、今までに数々の苦労を経験してきたつもりである。また形骸化してきた
内部監査を何とかして有意義なもの(会社のためになる、儲かるもの)にしたいと思っている。そんな中で、
厳選した「プロセスアプローチ内部監査の心得」を作成してみました。
 社内での掲示用にしたり、内部監査員や被監査責任者への教育資料にご利用ください。

★プロセスアプローチ内部監査の心得★
 (環境の場合は、青字の斜体で追記してあります)

【事前準備編】
 1.内部監査の手順を事前に確認しておくことは、内部監査員の責務である
  備考)内部監査員が手順どおりに行わないことは最も避けなければならない

 2.品質マニュアルや、監査対象業務の概要を業務標準(タートル図)等で確認し、
   監査対象業務のインプット・アウトプットに何があるかを確認しておくこと
  (環境マニュアルや法的要求事項、環境方針から環境目標への展開プロセス、
   被監査部門の環境側面、環境パフォーマンスの状況を確認しておくこと)


 3.事前に監査チェックシートを作成し、監査のポイントを絞って効果的に監査する
  備考)事務局が作成したチェックシートを活用し、監査する部門用に修正してポイントを絞っておく

【実施編】
 4.規格や標準文書への適合性だけでなく、業務プロセスの結果は目標を達成して
   いるか(有効性)を確認する(環境パフォーマンスが向上しているかを確認)
  備考)有効性とは、計画した活動が実行され、計画した結果が達成された程度をいう

 5.業務プロセスが目標どおりの結果を出すための仕組みがあるかを確認する
  (部門環境目標に「著しい環境側面」が反映され、全員に周知されているか、
   環境パフォーマンスが継続的に改善される仕組みがあるかを確認する)

  備考)結果を出すための仕組みとは、どのような資源(設備、力量)を使用して、どのような手順(方法)
     で仕事を行い、その活動状況をどのように管理(監視、測定)するかを示したものである


 6.優れた内部監査とは、重箱のすみを突つくような指摘ではなく、被監査部門の
   長所を伸ばし、短所を改善するような指摘、又はヒントを提供することである

 7.監査する職場の業務内容を理解し、相手の意見をよく聞き取ること
  (監査する職場の「著しい環境側面」、「法的要求事項」などを理解する)

 8.内部監査の目的は、指摘した業務改善による、職場の活性化と利益確保である
  備考)特にプロセス間の繋がり(物や情報の受け渡し)部分の効率性を重視し、悪ければ指摘する

 9.内部監査の中で、職場や組織の改善課題が議論できる雰囲気が必要である
  備考)監査書に指摘事項を記録することだけが目的ではなく、口頭での指摘や議論が重要である

【監査員と被監査者のスタンス編】
 10.監査員と被監査者は、共同でプロセスの結果が良くなるよう仕組みを見直す

 11.内部監査員は気付きを与える役目、被監査者は気付かせてもらう立場

 12.お互いに内部監査の目的や意義を理解したうえでないとやる意味がない


【参考書籍1】
 有効的な内部監査について、まじめに勉強するなら、以下の書籍をお薦めします。

 

 マネジメントシステム監査の目的と仕組み、
 効果的な監査方法及び監査にかかわる人々の役割、
 基本的な監査方法などを説明。また、ISO19011の各箇条や、
 QMS、EMS、ISMS、他の監査の視点も解説する。

 日本規格協会:組織が機能するマネジメントシステム監査力
 ISO19011:2011(JIS Q 19011:2012)の解説と活用方法
 福丸 典芳 著


【参考書籍2】
 プロセスアプローチやタートル図について、まじめに勉強するなら、以下の書籍をお薦めします。

 

 タートル図を中心に、効果的なプロセスアプローチを実践するため、
 品質マネジメントシステムの改善を推進している方の教科書です。

 日科技連:「タートルチャート活用によるプロセスアプローチの実践」
 沖本一宏 著



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