ヒューマンエラー(人為ミス)に対する「なぜなぜ分析」を実施する場合、
どうしても個人的な話(心理面)や言い訳が出てきてしまうが、これを回避する
コツのようなものをまとめました。
1.まず、作業を細かく分解する。
作業手順を明確にしてから分析する。(できれば動作単位まで細かく分解する。)
「管理者」「監督者」「作業者」の三者の観点で、「指示・判断・情報・伝達手段の流れ」の
何処が問題かを考える。
2.まず問題事象について、(1)「やらなかった」のか、(2)「間違えた」のか、
どちらなのかを見極める。
どちらなのかによって、展開が大きく変わる。以下にその例を示す。
問題事象:この製品は、海外へ出荷する時、製品をナイロン袋に入れてからダンボール梱包
するが、中国へ出荷する製品が標準梱包で出荷された。
(輸出梱包されずに国内梱包で出荷された。)
(1)「やらなかった」の展開例
(2)「間違えた」の展開例
注)上記の展開例は、考えられる例をできるだけ挙げてある。実際の分析では事実に基づいて、
不要な要因をストップし、発生原因を絞っていけばよい。
3.問題事象について、「やらなかった」のか「間違えた」のかを見極めた後、
次のどの段階のミスなのかを掘り下げる。
4.個人的な話(心理面)や言い訳は基本的に避ける。「言い訳の先に改善なし!」
「ボーっとしていたから」、「初めて見たから」、「忙しかったから」などはダメ!
5.人為ミスの矛(ほこ)先の例
「紛らわしかったから」、「しづらかったから」、たとえば「やりづらい」、
「見づらい」、「理解しづらい」、「判断しづらい」、「聞きづらい」
「作業中にしょっちゅうじゃまが入るから」、「集中している時に話しかけられるから」、
「役割分担が明確でなかったから」
6.再発防止策の方向性。
対策はもちろん「発生防止策」に導く必要がある。「ポカよけ」、「機械チェック」、
「間違いの見える化」などになると思うが、「作業環境の改善」の場合もある。
とにかく、「発生防止」と「間違いに気付ける」仕組みが必要。
注)「チェックリスト作成」や「教育する」「注意する」などでは、ヒューマンエラーの
発生を「ゼロ」にすることはできない。