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HOME【やさしい法令解説】PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会


 環境省で平成23年10月1日に第1回「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」が開催された。
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB廃棄物特別措置法)では、
PCB廃棄物保管事業者に対して、平成28年(2016年)7月14日までに処分することが義務付けられている。
追記.「PCB特別措置法施行令の一部を改正する政令」が平成24年12月12日に公布・施行されました。
   これによりPCB廃棄物の処理期限が、平成28年7月14日から平成39年3月31日まで延長されました。

この法律の附則第2条には「政府は、この法律の施行後10年を経過した場合において、この法律の施行
の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と規定されている。
 PCB廃棄物の処理の現状を把握した上で、今後のPCB廃棄物の適正処理の推進策を検討することを目的
として、本検討委員会は発足した。
備考)HOME > 環境、品質、安全、法令のページ > 廃棄物特別措置法の概要と処理事業について

1.PCBを使用した安定器の処理状況
  平成24年2月1日第4回「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」でその全貌が明らかになった。

 ● 東京事業所で最初に安定器等の処理が開始されたが、充填物の見込み違いで平成20年7月からは安定器
  の新規受入を停止している。(まだ目処がついていない。)
 ● 北九州事業所では、平成21年7月よりプラズマ溶融分解設備1号機が操業開始し、もたつきながらも
  最近では何とか安定的に処理が継続されるようになった。(平成23年度末までに合計約330トン処理済)
  平成24年1月にプラズマ溶融分解設備2号機も稼動し、安定器等・汚染物約400トン/年の処理を見込ん
  でいる。
 ● 北海道事業所は、平成25年より操業開始予定でプラズマ溶融分解設備を2基増設し、安定器等・汚染物
  約400トン/年の処理を見込んでいる。(北九州と同様の設備)
 ● 豊田事業、大阪事業地域においては、従前より施設立地の努力をしてきたところであるが、現状では、
  施設整備の見込みは立っていない。また、東京事業所については、元々安定器等のみを処理対象物と
  していたため、感圧複写紙等の汚染物の処理体制は未整備であった。

 

 

2.現状の認識
  検討委員会の資料を読んでいると、どのように考えても高圧トランスやコンデンサと違って、
 小型の安定器類は処理が厄介であり、現状では後回しにされている。
  このような中、北九州事業所と北海道事業所が自地域の安定器等・汚染物の処理が完了し、
 事業終了までに余力のある範囲で、豊田・東京・大阪事業エリア分を広域処理した場合は、
 豊田・東京・大阪事業地域の対象物約8,800トンのうち約4,000トンの処理ができるが、それでも
 約4,800トン程度が未処理という試算が出ている。
  このまま行けば、約4,800トン程度が未処理のまま処分期限が来てしまうのである。これまでの
 トラブル事例を見ても、安定器等・汚染物については、その実態が必ずしも明らかになって
 いないため、机上の計算通りには行かないことが予測される。よって、現時点で処理の見込みが
 立っていない地域の保管事業者は、いつまで保管を続けなければならないのかという不安が
 強く残る。

以上、平成24年2月1日第4回「PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会」からの情報まで。
(さらに何か情報が入ったら、このコンテンツにUPするようにします。)


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