§設計部門(開発部門)のなぜなぜ分析
「なぜなぜ分析」はどちらかというと、製造部門のポカよけを講ずるものという
イメージがある。ただし、プロセス(仕事の仕方)の改善という観点からは、設計部門や
間接部門にも十分に使える分析手法です。
1.設計部門(開発部門)の信頼性管理
設計部門(開発部門)には、もともと
FMEAやFTAという手法があり、フィールド
での故障や寿命クレームを予測して予め対策を講じておく。クレームが発生した場合は、
これらを振り返ることによりノウハウを蓄積していくのである。
2.設計部門(開発部門)の「なぜなぜ分析」
技術的な原因究明(テクニカルな部分)はFMEAやFTAなどに任せておき、プロセス
(仕事の仕方)の問題について「なぜなぜ分析」を実施する。プロセスの改善はやはり
「なぜなぜ分析」の出番となる。
1)まず、設計・開発プロセスの工程(要素)を表にして時系列で見える化する。
2)今回の原因となった工程(要素)を見付け出し、この部分の改善を行うようにする。
3)設計部門(開発部門)の前後のプロセスとの情報交換(伝達)の部分も対象とする。
ここで注意したいのが、マネジメントの問題(資源の配分や受注判断)については、
自らの改善では解決できないので、管理者の問題として一旦対象外にしておく方がよい。
3.設計部門(開発部門)の「なぜなぜ分析」の落とし所
プロセス(仕事の仕方)の問題が出でくるようにする。ボトルネック(工数不足、力量不足、非効率)
な工程を明確にし、情報伝達の不十分(コミュニケーション不足)、設計・開発手順の不備、あるいは
周知不足の問題に辿り着くのがよい。
ポイントは以下の三つを意識して分析を進めるとプロセスの問題に辿り着きやすい。
1)設計プロセスは定義されていたか(ルール化、手順化されていたか)
2)ルール、手順は知っていたか
3)ルール、手順をなぜ守らなかったのか
【参考資料】
1)
なぜなぜ分析のエッセンス(考え方)について 著者:管理人(MORIO)
2)
「なぜなぜ分析とは」.pdf(479KB) 著者:管理人(MORIO)
3)
ヒューマンエラー(人為ミス)に対する「なぜなぜ分析」のコツ 著者:管理人(MORIO)
4)
なぜなぜ分析シート.xls(49KB) 作者:管理人(MORIO)
【推薦書籍】
1)「なぜなぜ分析 徹底活用術」著者:小倉 仁志(JIPMソリューション)
「なぜなぜ分析」の入門に最適な書籍です。初級者にも分かりやすい!
2)「なぜなぜ分析習得の7ステップ 真の原因をつかめ!」著者:小松 正(JIPMソリューション)
「なぜなぜ分析」の中級者に最適な書籍です。入門者にキッチリ教える時などに利用できます。
3)「なぜなぜ分析 実践編」著者:小倉 仁志(日経BP社)
何回か実施した経験のある人が、どうも上手くいかないと思ったとき、あるいは間違った
なぜなぜになることが多いと感じたとき、この本は良い指南書になると思います。
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