§真因分析の10則(なぜなぜ分析の10則) 改版更新日 2013/10/14
なぜなぜ分析を実施していく中で、真の原因に辿り着くための10則というものがある。
これは、有限会社マネジメント・ダイナミクス 社長 の
小倉 仁志 氏などが提唱している
ルールだが、管理人的にもう少し分かりやすくしたものが、「真因分析の10則」である。
小倉 仁志 氏の10則などを参考にし、管理人の経験上のポイントを追加し、分かりやすい
言葉で解説してイメージが湧くようにしてある。
第1則 「なぜ」に書く文は、短く簡潔にし、誰でもが同じイメージのできる表現にする
主語は1つ、「○○が○○した」と表現し、あいまいな表現は避け具体的な表現を心がける。
第2則 最初の「なぜ(1)」は、現象の根本的な「要因」からスタートする
「なぜ(1)」は、その現象を発生させるための、明らかな要因を挙げる。
(状況を書くのではなく、問題を引き起こした動作を書くようにする。)
第3則 「なぜ(1)」には、発生要因と流出要因の両方を挙げる
現象を引き起こした直接要因と、ミスを見逃した直接原因に分けて記載する。
第4則 逆方向に読み返して、原因と結果の関係になっているかを確認する
それが発生したら必ず上位の現象が発生するのかを確認する。
第5則 その「なぜ」を発生させる「要因」を全て挙げ切る
並列関係にある「なぜ」を漏れなく挙げる
(並列関係とは、なぜなぜ分析シートの出だしから末端への方向に対し、直交する方向をいう。)
第6則 「なぜ」には、正常からズレていること(異常)だけを書く
たとえば、「忙しかったから」という理由は、「異常」ではない。ただし、150%以上の負荷が
1週間続いたのなら、やはり「異常」といえる。
第7則 事物の性質・状態を書く場合は、比較の対象や発生頻度を明確にする
大きい・長い・高いなどの表現の時は、状態の基準になっているモノや事柄、及びどの
ように発生するのかを明確にする。例えば「時々、設定温度に対して5℃高い。」など。
第8則 人間の心理的な「要因」は避ける
個人的な話はストップ!まず再発防止策がしっかり打てる設備面や管理のしくみに対して、
「なぜ」のほこさきを向ける。
第9則 再発防止策が打てる「要因」が出てくるまで、「なぜ」を進める
再発防止策につながる「なぜ」が出てくるところまで分析を続ける。(ポカヨケを講じて、
発生しないようにするか、発生しても気付けるようにするところまで)
第10則 現場・現物・現実(3現主義)で「要因」が本当かを確認する
分析の途中で、「要因」が本当か確認可能なら、すぐにでも発生現場や現物で確認し、
聞き取り、分解調査、計測、再現実験をすることにより、早くはっきりさせる方がよい。
備考)第9則の、再発防止策が打てる「要因」が出てくるまで、「なぜ」を進める。
については、まずは、担当者やリーダーレベルで解決できる範囲にする。
ルールや手順書の作成、教育なども重要だが、仕事の仕方(仕組)を改善することが、
なぜなぜ分析の大きな目的となる。
人員不足や慢性的工数不足、経験不足、短納期受注などのマネジメント的な問題は
実際には存在する。それは、マネジメントする人が解決する問題である。
担当者やリーダーによる「なぜなぜ分析」で、このような要因しか出てこないのなら、
分析シートを基に解決を依頼するようにする。(皆で実施した分析シートが強い味方になり、
それが根拠になる。)マネジメント的な問題は、問題事象を発生させている根本原因
(背景原因)であることが多い。
【参考資料】
1)
なぜなぜ分析の「最低限これだけは絶対に必要なポイント」 著者:管理人(MORIO)
2)
なぜなぜ分析のエッセンス(考え方)について 著者:管理人(MORIO)
3)
「なぜなぜ分析とは」.pdf(479KB) 著者:管理人(MORIO)
4)
ヒューマンエラー(人為ミス)に対する「なぜなぜ分析」のコツ 著者:管理人(MORIO)
5)
なぜなぜ分析シート.xls(49KB) 作者:管理人(MORIO)
6)
なぜなぜ分析の落とし穴(なぜうまくいかないのか?) 作者:管理人(MORIO)
7)
設計部門(開発部門)の「なぜなぜ分析」について 作者:管理人(MORIO)
【推薦書籍】
1)「なぜなぜ分析10則」−真の論理力を鍛える 著者:小倉 仁志(日科技連出版社)
とくに、ヒューマンエラーに関する事例や製造現場以外の事例を紹介している。
2)「なぜなぜ分析 徹底活用術」著者:小倉 仁志(JIPMソリューション)
「なぜなぜ分析」の入門に最適な書籍です。初級者にも分かりやすい!
3)「なぜなぜ分析習得の7ステップ 真の原因をつかめ!」著者:小松 正(JIPMソリューション)
「なぜなぜ分析」の中級者に最適な書籍です。入門者にキッチリ教える時などに利用できます。
4)「なぜなぜ分析 実践編」著者:小倉 仁志(日経BP社)
何回か実施した経験のある人が、どうも上手くいかないと思ったとき、あるいは間違った
なぜなぜになることが多いと感じたとき、この本は良い指南書になると思います。
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